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すべてのガイド位置情報の誤差範囲を示す円と、青い現在地の点が表示されたスマートフォンの地図画面Privacy & Trust

スマホのGPSの精度は実際どれくらいなのか

Portrait of Daniel Reyes, who writes the privacy and technology guides for Be CloserDaniel Reyes 読了目安 8分

家族の地図は「だいたいこのあたり」と捉えるもので、「ここに正確にいる」と捉えるものではありません。見晴らしのよい屋外であれば、現代のスマートフォンはおよそ3〜5メートルの精度が普通です。屋内、地下、高い建物の間では、Wi-Fiや携帯電波に頼る仕組みに切り替わるため、誤差が数十メートルから数百メートルまで広がることがあります。バッテリー節約モードや機内モード、位置情報の許可設定によっても、さらに精度は下がります。だからこそ、家族の地図は「だいたいこのあたり」として見るのがちょうどよいのです。

まず一言だけ。位置情報の点は「推定」であって「事実」ではありません。この疑問は、たいてい気まずいタイミングでやってきます。地図には、お子さんが行くはずのない道にいると表示されている。あるいは、離れて暮らす親御さんが、隣の家の庭にいることになっている。あるいは、点が四百メートル先まで一瞬で移動して、すぐに元に戻ったりする。

家族の地図から何かを判断する前に、その下にある数字が何を意味しているのかを知っておく価値があります。スマートフォンの位置情報は、いくつもの不完全な信号を組み合わせて出された「推定値」です。どんなふうにずれるのかを知っておくだけで、無用な言い合いをかなり減らせます。

実際の精度は数字にするとどれくらいか

空がよく見える屋外にある現代のスマートフォンなら、よく引用される数字はおよそ3〜5メートルです。ちょうど道路一本分の幅くらいです。二周波の受信機を積んだ新しめの端末なら、条件がよければ1〜2メートルまで縮まることもあります。

  • 開けた場所、快晴の空:およそ3〜5メートル。もっとよいこともあります。
  • 木がある郊外の道:おおむね5〜15メートル。
  • 高い建物が並ぶ都市部:20〜50メートル程度、それ以上ずれることもあります。
  • 屋内、窓の近く:数十メートル。ほとんどWi-Fiに頼っています。
  • 建物の奥、地下、地下鉄構内:数百メートル、あるいはまったく取得できません。

これはBe Closerだけの数字ではなく、衛星測位という物理的な仕組みそのものであり、スマートフォンに入っているどの地図アプリ、どの見守りアプリにも等しく当てはまります。ショッピングモールの中でメートル単位の正確な位置がわかると謳う商品があれば、それは眉唾ものだと考えてよいでしょう。

位置情報はそもそもどこから来ているのか

スマートフォンは、位置を測る仕組みをひとつしか持っていないわけではありません。複数の仕組みをOSがまとめて処理し、ひとつの推定値と誤差の範囲を出しています。

  1. 1衛星測位(GNSS)。GPSやガリレオ、GLONASS、北斗といった衛星からの信号を受信し、届くまでのわずかな時間差から位置を計算します。精度は一番高いですが、空が見える必要があり、電力も一番使います。
  2. 2Wi-Fi測位。近くにあるWi-Fiの電波の名前を、位置がわかっているアクセスポイントの巨大なデータベースと照らし合わせます。都市部では驚くほど正確に働き、田舎ではほぼ使えません。屋内でも位置情報が機能する主な理由がこれです。
  3. 3携帯電波網。どの基地局の電波が届いているか、その強さはどれくらいか。誤差は数百メートルから数キロメートルとかなり大まかですが、ほぼ常に使えます。
  4. 4各種センサー。加速度計やジャイロ、コンパスが動きをなめらかにつなぎます。歩いている点が、飛び飛びではなく滑らかに動いて見えるのはこのためです。

これらを組み合わせているからこそ、ある瞬間は正確でも、次の瞬間には曖昧になることがあります。道路から地下のカフェに入った瞬間、スマートフォンは静かに衛星測位からWi-Fi測位に切り替わり、推定される誤差の範囲も一気に広がります。

何が精度を悪くするのか

都市部の「谷間」

典型的な失敗のパターンです。高い建物の間では、衛星からの信号がガラスやコンクリートに反射してからスマートフォンに届きます。反射した信号か直接届いた信号か、端末には区別がつかないため、実際より長い経路を進んできたものとして計算し、結果として道の反対側や一区画先にいることになってしまいます。これはマルチパス誤差と呼ばれ、都市部での不正確さの最大の原因です。

屋内と地下

衛星からの信号は、地上に届く頃には驚くほど弱くなっています。たとえるなら、何千キロも先の車のヘッドライトを見分けるようなものです。屋根や数階分のコンクリート、駐車場ひとつでも信号を完全に遮ってしまいます。屋内ではすべてWi-Fiと携帯電波網に頼ることになり、得られる位置は部屋単位ではなく、街区単位の推定にとどまります。

バッテリー節約設定

iOSでもAndroidでも、低電力モードが有効なときはバックグラウンドでの位置情報取得が大きく制限され、Androidの適応バッテリー機能は最近使っていないアプリの動作を抑えます。家族の地図で位置が古いまま更新されない一番の原因は、不具合ではなく、バッテリー残量8パーセントのスマートフォンが設計どおりに動いているだけ、というケースがほとんどです。

権限の設定

位置情報の許可が「アプリの使用中のみ」になっていると、バックグラウンドでの更新は行われません。iOSの「正確な位置情報」をオフにすると、意図的に位置がぼかされ、街区程度の精度になります。どちらもプライバシー上まっとうな選択ですが、家族の地図に表示できる内容は変わってきます。

天候、トンネル、木立

分厚い雲による影響は、よく言われるほど大きくありません。一方、濡れた木々が生い茂った場所は、実際に信号を弱めます。トンネルは信号を完全に遮断するため、車の位置がしばらく道なりに進んだあと止まり、出口で再び現れる、という表示になります。

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地図上で位置が「飛ぶ」のはなぜか

これは家族間の無用な言い合いを一番多く生む挙動なので、丁寧に説明しておきます。

たとえば、お子さんが大きな建物に入ったとします。スマートフォンは衛星を見失い、Wi-Fi測位に切り替わり、建物の反対の端に登録されているアクセスポイントの近くに位置していると判断してしまいます。誰も動いていないのに、点だけが80メートルほど動きます。十分後、外に出て衛星が再びつかまると、点はすっと元の位置に戻ります。傍から見ると二回移動したように見えますが、実際には移動は一回だけで、その間はまったく動いていません。

同じ仕組みが、ほかにもよくある現象を引き起こします。

  • 隣の家に点が表示される。戸建てが密集した通りでは、15メートル程度の誤差でも隣の家になってしまいます。これ自体に意味はありません。
  • 動いていないのに点がふらつく。信号が弱いと、テーブルの上に置いたままのスマートフォンでも、推定位置がじわじわとずれていきます。
  • 一時間分、記録が抜ける。低電力モードだった、地下でポケットに入っていた、OSによってアプリが一時停止させられていた、といった理由が考えられます。
  • 到着が少し遅れて表示される。到着通知は、ジオフェンス(設定した範囲)の内側でしっかりした位置情報が取れてから送られるため、一、二分のずれが出ることがあります。

実際に役立つルールはこれです。一回の意外な表示だけで判断しないこと。次の更新を待つか、それより早くて確実な方法、つまり本人にメッセージを送ることです。これは家族の信頼にも関わる大事なことなので、思春期の子どもと位置情報の共有についてどう話すかで紹介している基本ルールの一部にもなっています。

実際に効果のある設定はどれか

五分でできる精度改善

  • 家族の見守りアプリの位置情報の許可を「常に許可」にする。バックグラウンド更新にはこれが必須です。
  • iOSの「正確な位置情報」、またはAndroidの「Googleの位置情報精度」をオンにする。
  • Wi-Fiは、ネットワークにつながっていなくてもオンのままにしておく。屋内の精度が大きく改善します。
  • Bluetoothもオンのままにしておく。近くの機器を使った位置測位に使われます。
  • Androidではアプリをバッテリー最適化の対象から外し、iOSでは低電力モードを常時オンにしない。
  • 点の動きが明らかにおかしいときは、端末を再起動する。衛星との接続をやり直させる効果があります。
  • 精度が常によくない場合は、金属製や厚みのあるケースを使っていないか確認する。

専用の見守り端末も基本的には同じ仕組みですが、ひとつ有利な点があります。他の何十ものアプリを同時に動かしていないため、電力の使い方がシンプルで、報告される位置情報も安定しやすいのです。かばんに入れたタグのほうが、同じかばんに入れたスマートフォンより素直に動く理由のひとつはここにあります。それぞれの技術的な違いについては、GPSバンドとスマートウォッチとAirTagの違いで詳しく比較しています。

家族の地図に何を期待すればいいか

現実的な期待値を、はっきり言葉にしておきます。これがわかっていてこそ、この道具は役に立つものになります。

  • 家にいるか、学校にいるか、職場にいるかは、かなり信頼して判断できます。屋外であれば建物単位の精度が標準です。
  • ショッピングモールのどのお店にいるかまでは、信頼して判断できません。
  • ときどき、明らかに間違った位置が表示されることがあります。これは想定内の挙動であり、故障ではありません。
  • スマートフォンが休止状態、電池切れ、電波の届かない場所にあるときは、表示に遅れが出ます。
  • 「無事に着いたかどうか」を答えるのは得意で、「正確に今何をしているか」を答えるのは苦手です。

最後の一文は覚えておく価値があります。家族の地図は、安心のための補助がついた「連絡の道具」です。人の行動そのものを判断する材料として使おうとすると、必ずどこかで裏切られますし、何より、長年かけて築いてきた信頼を損ないかねません。「もう着いたかどうか」を知るための道具として使えば、ほぼ完璧に機能してくれます。

ご家族から

Portrait of Daniel Reyes, who writes the privacy and technology guides for Be Closer
Daniel Reyes
Privacy, Trust & How It Works

Daniel covers privacy, consent and the technology under the hood. A dad who reads the settings screens so you don't have to, he believes the best family tech is the kind you can explain to your kid in one sentence, and that nothing should ever be tracked in secret.

Our guides are written by Be Closer's editorial voices and reviewed by the team behind the app. Questions? support@becloser.com

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