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家族の合言葉、五分で決める「お迎え」の安心ルール

Portrait of Marta Osei, who writes the Kids & Teens guides for Be CloserMarta Osei 読了目安 7分

子どもが絶対に忘れず、うっかり口にすることもない言葉をひとつ選び、実際にお迎えに来る可能性のある大人だけに伝えます。ルールはひとつだけ、「お母さんに頼まれた」と言う人が現れたら、その言葉を知っているか確かめること。車の中で三回、軽く練習したら、それで終わりにします。かかる時間は五分ですが、子どもにとって本当にややこしい場面から、迷いをなくしてくれます。

我が家の合言葉は「パイナップル灯台」です。プール帰りの車の中で、当時六歳だった子が決めました。まったくもって意味不明な組み合わせですが、だからこそ四年たった今も一度も忘れられていません。

合言葉は、準備にかかる手間の割に、実際に役立つ数少ない安全習慣のひとつです。これは知らない人が声をかけてくる話ではありません。そういう説明の仕方は子どもを怖がらせるだけで、本当の問題を見えにくくします。実際によくあるのは、もっと地味な場面です。仕事が長引いた、友だちのお父さんが「うちの車で送っていくよ」と言ってくれた。そんなとき、子どもにはそれが本当にいいことなのか、判断する手がかりがありません。

合言葉があれば、その判断ができます。それだけのことです。

合言葉は何のためにあるのか

合言葉が答える問いはひとつです。「この大人は、本当に親に頼まれてここにいるのか」。ルールさえ決まっていれば、子どもは意外なほどしっかりこれに対応できます。ルールがないと、子どもは「礼儀正しくすること」を優先してしまいます。それは、本当は少し失礼になってもいいはずの場面で、一番よくない反応です。

合言葉を決めておく価値がある場面は、大きく二つあります。

  • 予定外のお迎え。顔は知っているけれど詳しくは知らない大人が、「お母さんに頼まれて迎えに来た」と言う場合です。合言葉を知っていれば安心して任せられますし、知らなければ「先生を呼んできます」「ここで待ちます」と言って、学校の職員室や知っている大人のところに戻ればいいだけです。
  • 子どもの側から助けを求めたいとき。うまくいっていないお泊まり会、抜け出したいパーティー、周りに人がいて電話で事情を説明できない状況。合言葉をメッセージで送ってくれば、理由を問いただすことなく、「用事ができたから迎えに行く」とだけ言って迎えに行けます。

二つ目の使い方は意外と忘れられがちですが、子どもが成長するほど役に立つ場面です。一言送るだけで済むなら、思春期の子でも使ってくれます。逆に、帰りたい理由をいちいち説明しなければならないなら、たいてい我慢して連絡してきません。

実際に機能する合言葉の選び方

コツは三つあります。三つ目を見落とす家庭が多いので、そこを特に意識してください。

  1. 1覚えやすく、できればちょっと変な言葉にする。関係のない名詞を二つ組み合わせたもののほうが、ひとつのまじめな単語より覚えやすいです。「パイナップル灯台」「ビロードのトラクター」のように。子どもは、変な組み合わせは苦労せずに覚え、普通の言葉はすぐ忘れます。
  2. 2うっかり口にしないものにする。呼び名やあだ名、好きな食べ物、応援しているチームの名前は避けます。ふだんの会話に出てくる可能性がある言葉は、合言葉としての役目を果たせません。
  3. 3子ども自身に選ばせる。自分で決めたという実感が、四年たっても忘れられずに残る理由です。親が決めた言葉は、学期の途中で忘れられてしまうものです。

合言葉を守るためのルール

  • 実際に迎えに来る可能性のある大人だけに伝えます。もう一方の親、祖父母、信頼できる友人一人か二人まで。
  • クラスのグループLINEや、学校に提出する書類には絶対に書きません。
  • 友だち同士のふざけたやり取りに使わせないこと。広まった時点で意味を失います。
  • もし広まってしまったら、その日のうちに変えます。「そのうち変えよう」では手遅れになります。
  • 少し大きくなった子には、「助けて」用にもうひとつ、別の合言葉を用意してもいいでしょう。

大切な家族との距離を、少しだけ縮めましょう。

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怖がらせずに練習するには

車の中で、軽く、短く。ここでは話し方が何より重要です。同じ内容でも、深刻な声で伝えれば「世の中は危険なんだ」というメッセージになり、さらっと伝えれば「うちの家族はこうやって予定変更に対応するんだ」というメッセージになります。子どもは、危険の大きさをあなたの態度から読み取ります。

練習は三つの質問だけで十分です。それぞれ三十秒もかかりません。

  1. 1「もし〇〇おばさんが学校に来て、『お母さんに頼まれた』って言ったら、何を聞く?」 答えは、合言葉。
  2. 2「もし合言葉を知らなくて、でもすごく優しそうに『そんなの気にしなくていいよ』って言われたら?」 それでも一緒に行かない。本当に頼まれてきた大人なら、確認されても嫌な顔はしません。
  3. 3「よくわからないときは、誰のところに戻る?」 職員室、学童の先生、校門にいる決まった大人。

これを学期に三回ほど繰り返したら、それでやめておきます。練習しすぎると、便利な仕組みが不安のもとに変わってしまい、不安な子どもはとっさに動けなくなります。年に二回くらいの復習で、負担なく感覚を保てます。

教えているのは「世の中は危ない」ということではありません。「予定と違うと感じたら、大人相手に少し気まずくてもいいから確かめていい」ということです。

この最後の一言は、子どもに直接伝えておく価値があります。礼儀正しい子どもほど、合言葉を思い出すことより、大人を疑うような態度を取ることの気まずさのほうがハードルになります。はっきり許可を与えれば、子どもはそれを使いこなします。

予定が崩れたときの備えはどうするか

合言葉がカバーするのは「迷った瞬間」だけです。予定そのものが崩れる場面、電車が遅れる、会議が長引く、電話の充電が切れる、そうした状況は別に備えが必要です。ここを一度きちんと決めておけば、あとは崩れません。

  • 頼れる人をひとり決める。連絡がつかないときに必ず頼る大人を一人。子どもが考えずに名前を言えるようにしておきます。
  • 頼れる場所をひとつ決める。学校の職員室、学童、通学路にある特定のお店。「どこか安全な場所」ではなく、具体的な一軒。
  • とるべき行動をひとつ決める。その場で待つ、勝手に歩き出さない、知っている大人が来るまで動かない。
  • 声に出さず伝える方法を用意する。大きい子どもなら、合言葉をメッセージで送れるようにしておきます。これは思っている以上に役立ちます。

位置情報の共有は、この仕組みを置き換えるものではなく、寄り添うものです。到着通知は「無事着いた」という事実を教えてくれ、そわそわしながら「着いた?」と聞き続ける必要をなくしてくれますが、校門で何をすべきかまでは教えてくれません。両方が必要です。通学のためにジオフェンス(特定の場所の出入りを知らせる機能)を設定するなら、ジオフェンスとは何かを、忙しい親向けにやさしく説明が実際の動き方の参考になります。

スマートフォンをまだ持たない小さな子には、身につけられるBe Closer バンドが同じ役割を果たします。到着通知は受け取れますし、人とのやり取りに関わる部分は合言葉に任せられます。お迎えではなく、帰り道そのものに取り組んでいるご家庭には、バス停から一人で歩いて帰るが段階を追った進め方の参考になります。

ご家族から

Portrait of Marta Osei, who writes the Kids & Teens guides for Be Closer
Marta Osei
Kids & Teens

Marta writes our Kids & Teens guides. Mother of two, professional over-preparer, firm believer that independence is a skill you practice, together first, then alone. She has road-tested every checklist in her own hallway at 7:40am.

Our guides are written by Be Closer's editorial voices and reviewed by the team behind the app. Questions? support@becloser.com

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