Be Closer
すべてのガイド台所のテーブルを挟んで穏やかに話す親と中高生Privacy & Trust

中高生と位置情報の話をする、けんかにならない伝え方

Portrait of Daniel Reyes, who writes the privacy and technology guides for Be CloserDaniel Reyes 読了目安 8分

こうした話し合いの多くは、この一言で片づきます。「共有はお互いさまでなければ、共有とは言えない」。まず見せるのは「見たいもの」ではなく「差し出せるもの」、たとえば門限を延ばす、車を貸す、確認のLINEを減らすといったことです。共有は必ず双方向にし、何をして何をしないかを言葉にして決め、そこに期限をつけてください。こっそり追跡することだけは絶対にしないでください。ばれたときの代償は、得られる情報よりもずっと大きなものになります。

何人かの中高生に、家族での位置情報共有についてたずねてみると、たいていの親が想像するよりずっと落ち着いた答えが返ってきます。位置情報の共有そのものを嫌がっている子は、実はそれほど多くありません。友だち同士では、むしろ自分から進んで、親には見せないくらい細かく居場所を共有し合っています。

彼らが本当に嫌がっているのは、「非対称であること」です。自分だけが見られていて相手は見られない、同意していないルールで縛られる、理由も説明されない。位置情報をめぐるけんかのほとんどは、実はこの三つのどれかに集約されます。逆に言えば、この三つさえ整えば、たいていは一度の話し合いで解決できるということです。

よくあるやり方が失敗する理由

よくある流れはこうです。親が心配し、アプリを入れ、夕食の席で発表し、子どもが反発し、その反発を「何か隠している証拠だ」と受け取る。これでは夜が更けるほど、お互いの立場が固まっていくだけです。

うまくいかないのは、すでに決まったことを一方的に伝えてしまうからです。思春期というのは、発達の過程として「自立の交渉」がずっと続いている時期であり、それがこの年代の仕事だとも言えます。相談なしに与えられたルールは、それがどれだけ理にかなっていても、試されるように反発されます。逆に、一緒に決めたルールはたいてい長続きします。

もう一つ、これが一方通行であることも失敗の理由です。あなたが子どもの居場所を見られて、子どもがあなたの居場所を見られないなら、それは「見守り」と呼びながら実際には「監視」を作っていることになります。対等にすることに費用はかかりませんし、それだけで仕組み全体の意味が変わります。

実際に効果のある伝え方

言葉選びは、思っている以上に結果を左右します。うまくいった家庭からよく聞く切り出し方をご紹介します。

トレードとして伝える

「毎晩『今どこ?』ってLINEするの、正直やめたいんだよね。みんなで位置情報を共有できるなら、もう聞かないし、門限も一時間遅くしていいよ。どう?」

これがうまくいくのは、見返りのある取引になっているからです。何も得られない共有は「損」に感じられますが、自由が手に入る共有は「取引」に感じられます。しかも「連絡が減る」という本人にとっての実際のメリットが、はっきり言葉にされています。

「お互いさま」という前提を作る

「あなたを見張るためじゃないよ。家族四人が同じ地図に載るだけ。私が仕事で身動き取れなくなってるのも、文句を言う前にあなたに見られちゃうよ」

言うだけでなく、実際にそれを見せてください。あなたがスーパーで足止めされている様子を見せる。子どもが「そろそろ迎えに来るかな」と自分から地図を確認するようになったとき、この伝え方は本当の意味で機能したことになります。

具体的な心配ごととして伝える

「あなたが何をしてるか心配なんじゃないよ。最終バスから玄関までの、あの二十分間だけがちょっと気になってるの。そこだけ考えなくて済むようにしたいんだよね」

具体的な心配には答えられます。漠然とした心配は「信用されていない」という響きになり、人格を疑われたような反発を招きます。移動、時間帯、場所を絞って伝えれば、案外「それなら分かる」と納得してもらえることが多いものです。

発表ではなく、問いかけとして

「どうすれば、あなたにとって公平だと感じられる?」

この会話全体の中で、いちばん効果のある一言です。中高生に聞いてみると、たいていは控えめな条件しか出てきません。一時停止できるようにしてほしい、特定の場所について何も言わないでほしい、親戚には話さないでほしい、といった程度です。そして自分から求めた条件だからこそ、その約束を自分でも守ろうとするようになります。

自由と引き換えに、透明性を渡す

うまくいく約束は、「既にある自由の条件」ではなく、「自由の拡大」として位置情報の共有を結びつけています。実際に多くの家庭で交換されているものを挙げます。

  • 週末の門限を遅くする。
  • 都心への外出や、親なしでのイベント参加を許可する。
  • 確認のLINEをやめる。減らすのではなく、本当にやめる。
  • 友だちの家に泊まるときに、電話をかけなくてよいことにする。
  • 運転免許を取ったあと、車を使わせる。

この逆、つまり「断ったら今ある自由を取り上げる」というやり方には注意してください。それは話し合いを力比べに変えてしまいますし、たとえその場で勝ったとしても、「共有とは強要されるもの」だと教えることになります。もし断られたら、どこまでなら受け入れられるか聞いてみてください。二カ所だけの到着通知や、夜だけの共有といった、より小さな形から始めるのも十分によい出発点です。

車の運転が始まったら、話は変わる

運転を始めると状況が変わり、都合のよいことに、本人の受け止め方も変わります。運転を始めたばかりの子は、口では言わなくてもリスクをかなり意識しているもので、「あなた」ではなく「車」を主語にした会話のほうがうまくいきます。

  • 運転者ではなく、車の話にする。車が着いたか、変な動きをしていないかを知ることは、人を追跡することとはまったく別の話です。私たちのDriveがグローブボックスに収まる形をしているのは、まさに「車のための道具」として受け取ってもらうためです。
  • 故障や立ち往生のときの対応を先に決めておく。「困ったときは、車の位置が分かるから迎えに行けるよ」というのは、いちばん説得力のある言葉であり、しかも本当のことです。
  • 毎回の運転にいちいち口を出さない。毎晩ルートや速度についてコメントしていると、そのうちオフにされるか、スマホごと家に置いていかれるようになります。本当に大事な二つだけに絞り、あとは目をつぶってください。
  • 長距離の運転は特別扱いしてよい。多くの家庭は、常時共有はうるさく感じても、高速道路での移動や夜間の運転のときだけ共有する、という形なら受け入れやすいと感じています。状況に応じた共有は、十分に成り立つ妥協点です。

大切な家族との距離を、少しだけ縮めましょう。

無料でダウンロードできます。1分ほどでサークルの設定が完了します。マップを見られるのは、あなたが招待した人だけです。

誰も使わない裏技、終わりのある約束

ずっと続くように見える約束は、いずれ反発されます。逆に、終わりが見えている約束は、はるかに受け入れやすいものです。それがアイデンティティではなく、いつか終わる一時期のこととして扱えるようになるからです。

うまくいく中高生との共有ルールの例

  • 親も含めて、全員がお互いに共有する。例外なし。
  • 毎年度末に見直しをして、そのたびに条件をゆるめていく。
  • 理由もなく地図を確認しない。もし確認したら、そのことを伝える。
  • けんかのときに位置情報の話を持ち出さない。
  • 一時停止していい。停止するときは一言連絡する。停止すること自体を疑わない。
  • 十八歳になったら、続けるかどうかは完全に本人の自由。

この最後の一文が、ほかのすべてを受け入れやすくしています。押しつけを、頂上の見える階段に変えるからです。この見直しの約束をあらかじめ決めている家庭は、決めていない家庭に比べて、明らかにもめごとが少なくなります。そして皮肉なことに、十八歳になって本当に自由に選べるようになった子の多くは、それでも共有を続けます。単純に便利だからです。

絶対にやってはいけないこと

  1. 1こっそり追跡しない。必ずばれます。電池設定にはアプリの一覧が出ますし、友だちからも話が漏れます。そして、そのとき負う代償は、分かった情報の中身ではなく、「隠れて見ていた」という事実そのものに対するものです。
  2. 2位置情報を証拠として使わない。「あの時あそこにいたよね」という一言は、実際に何をしていたかにかかわらず、その約束を終わらせます。何か言いたいことがあるなら、位置情報の話ではなく、本題そのものを話してください。
  3. 3一時停止を責めない。一時停止に対して問い詰めるようなことをすると、次からは停止するのではなく、友だちの家にスマホを置いていくようになります。それでは今より状況を把握できなくなるだけです。
  4. 4一度の表示だけで結論を出さない。位置情報の推定値は、特に屋内や建物の密集した街ではぶれます。びっくりするような表示を見たときは、結論を出す前にスマホのGPS、実際どれくらい正確?を読んでみてください。
  5. 5位置情報を関係のすべてにしない。地図が教えてくれるのは「どこにいるか」だけです。「どんな様子か」までは教えてくれません。それは、直接聞くしかありません。

それでも「嫌だ」と言われたら

そこで押し切ろうとせず、真剣に受け止めてください。普段は物分かりのよい子がきっぱり拒否するときには、たいてい具体的な理由があります。友だちの間でからかわれる、以前に親が過剰反応した経験がある、周りの友だちに比べて自由が少ないと感じている、といったことです。

その理由に向き合って、一カ月後にまた話してみてください。それまでの間は、最低限のことだけ決めておけば十分です。着いたら連絡する、夜の予定を共有する、電話には出る、というくらいで、安全という意味ではこれだけでもかなりのことがまかなえます。地図はもともと、うまくいっている関係の上に乗る、便利な補助でしかありません。関係そのものに手を入れる必要があるなら、どんなアプリもその代わりにはなりません。この考え方については、子どもの位置情報、共有すべき?でも詳しく触れています。

ご家族から

Portrait of Daniel Reyes, who writes the privacy and technology guides for Be Closer
Daniel Reyes
Privacy, Trust & How It Works

Daniel covers privacy, consent and the technology under the hood. A dad who reads the settings screens so you don't have to, he believes the best family tech is the kind you can explain to your kid in one sentence, and that nothing should ever be tracked in secret.

Our guides are written by Be Closer's editorial voices and reviewed by the team behind the app. Questions? support@becloser.com

はじめませんか

大切な家族との距離を、少しだけ縮めましょう。

無料でダウンロードできます。1分ほどでサークルの設定が完了します。マップを見られるのは、あなたが招待した人だけです。