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転倒のあと、親が自信を取り戻すまでに家族ができること

Portrait of Priya Nair, who writes about aging parents, pets and family life for Be CloserPriya Nair 読了目安 9分

転倒のあとに親の暮らしを小さくするのは、けがそのものよりも、また転ぶかもしれないという不安です。付き添いのある短い距離から少しずつ動きを戻し、家の中は本人と一緒に歩いて本人と一緒に変え、バランスや薬、目と耳のことはかかりつけ医に相談します。連絡は軽く、時間を決めて。そうすれば誰も見張らずに済みます。

叔母が廊下で転んだのは、二月の火曜日の朝でした。大きなけがではありません。二週間ほど痛んだ手首と、梅の実のような色のあざと、いとこが上着を抱えて付き添った夜間の待合室。三月には誰もその話をしなくなりました。五月には角の店まで歩かなくなっていて、私たちの誰も、その二つを結びつけていませんでした。

どの家庭でも、だいたい同じ形になります。転倒そのものは、多くの場合いちばん小さな出来事です。そのあとに起きることのほうが静かで、はるかに見えにくいのです。宣言もないまま、バスはしんどい、庭は後でいい、コーラスは来週にしよう、と本人が決めていきます。ひとつずつ見ればどれも理にかなっています。三か月分を重ねると、暮らしはずいぶん小さくなっています。

この記事で扱うのは、転んだ当日ではなく、そのあとの数週間です。自信に何が起きるのか。点検のようにならずに家の中を一緒に見て回るにはどうするか。まわりが気をつけてとしか言えないときに、どうやって動きを取り戻すか。そして、そばに立ちすぎずに様子を知るにはどうするか。順に見ていきます。

転倒のあとに実際に起きていること

転んだ経験のある方に、いちばんつらかったことを尋ねると、痛みだと答える方はあまりいません。多くは床だと言います。そこに倒れている居心地の悪さ、自力で起き上がれるかどうかを確かめる数秒間、そして三十年住んだ家が急に見知らぬ場所のようにふるまったこと。

そこから残るのは、単なる用心深さではありません。頭の中で解説が止まらなくなるのです。以前は何も考えずに台所を横切っていた方が、マットに気をつけて、台につかまって、めまいが収まるまで待って、と自分に言い聞かせながら歩くようになります。この解説はとても疲れます。そして止める最短の方法は、動く量を減らすことです。家族が見落とすのはここです。宣言としては届かず、小さな誘いへの小さな断りの連なりとして届くからです。

転ぶのがこわいとは言いません。今日はやめておく、と言うだけです。

感情の輪の下には、体の輪があります。動かないことで脚の力が落ち、バランスをとる練習も減り、練習が減るほど次のふらつきが起きやすくなります。守っているつもりの回避が、静かに危険を上げていくわけです。これを知っておくと、支え方が変わります。目的は親をじっとさせることではありません。もう一度やってみようと思える安心感のある形で、また動き出してもらうことです。

不安のほうが暮らしを削っているサイン

  • 行動範囲が狭くなる。 店、バス、二本先の通りの友人が、静かに予定から消えていきます。
  • 家具づたいに歩く。 椅子の背から台所の台、そして戸口へと手を伝って移動します。
  • 断るのが直前になる。 月曜に承諾して、木曜に理由が見つかります。
  • 理由が毎回変わる。 同じ外出について、天気、ひざ、時間帯と説明が入れ替わります。
  • 夕方の静けさが増える。 六時に座ったら、寝るまで立ち上がらなくなります。

家の中は、後ろからではなく一緒に歩く

転倒のあと、ほとんどの家族が家の安全確認をします。そして多くはやり方を誤ります。誤りは主語に出ます。うちの者で廊下を片付けた。敷物は取った。照明を付けた。どの言い方も、誇りを持って暮らしてきた人に、自分の家のことが自分抜きで決まるようになったと伝えてしまいます。

代わりに、一緒に歩いてください。玄関から始めて一部屋ずつ進み、それぞれで質問はひとつだけにします。ここで使いにくいところはありますか。危ないところは、ではありません。使いにくいなら、大人は何も認めずに答えられます。得られる情報も正確です。どの床板がきしむか、午後四時にどの角が暗くなるかを知っているのは本人で、こちらではありません。

  • 床。 ずれる敷物と横切る配線が定番です。十年ずれ続けている敷物は敷物ではなく、思い出のついた落とし穴です。取り上げずに相談してください。
  • 明かり。 家の中の転倒は、ごく普通の移動中に起きます。夜中のお手洗いまでの往復は誰もが思い当たる道です。寝床から手の届く明かりと、廊下の足元灯だけで、この道は大きく変わります。
  • 階段。 手すりをもう一本足すのは費用の割に効果が大きい対策です。とくに上り口と下り口を確かめてください。明るさが変わる場所です。
  • 浴室。 浴槽のそばの手すり、滑りにくいマット、そして立って洗うのが一仕事になっているなら腰かけをひとつ。
  • 履き物。 誰も話題にしませんが、手すりより効くことがあります。かかとのないスリッパや、板の間での靴下は、せっかくの工夫を台無しにします。
  • 手の届く高さ。 毎日使うものは腰から肩の高さに置きます。椅子を踏み台にしているなら、それは別の相談です。

変更は、ふつうの住まいの手入れとして話してください。実際にそうだからです。廊下が明るいのは全員にとって快適です。階段の手すりは、きちんとした家にあるものです。病室をしつらえているのではなく、暮らしやすい家にしているだけで、どちらに感じられるかは言葉づかいが決めます。

同意についてもうひとつ。断られたら、覚えておいて、そこで引いてください。一か月後にもう一度出せますし、最初に押さなかった人の言葉のほうがずっと通ります。これから十年支えていけるかどうかは関係で決まります。敷物は敷物にすぎません。

気をつけてね、がいちばん役に立たない理由

誰もが口にします。愛情のつもりで言って、警告として届きます。気をつけてには、計画も、練習することも、変えられることも含まれていません。そのうえで、自分はもう何かが起きる側の人間になったのだ、という不安を静かに裏づけてしまいます。

具体と同行に置き換えてください。自信は繰り返しで戻ります。そして繰り返しは、実際に続けられるくらい小さくなければ意味がありません。

  1. 1まず家の中で。 肘掛けを使わずに椅子から立つ。湯が沸くあいだ流しの前に立つ。廊下を二往復する。地味であることが大事です。
  2. 2次に玄関の外へ。 門まで行って戻る。速さは本人が決め、こちらは横に並びます。歩きながら転倒の話はしません。
  3. 3次に目的のある行き先へ。 郵便受け、通りの端のベンチ、隣家の玄関。用のある道は、庭を五周するより価値があります。
  4. 4次に同じ道をひとりで。 事前に決めて、だいたいの所要時間も決めて、途中で電話をかけずに行ってもらいます。
  5. 5そして予定表に戻す。 目的は歩くことではありません。集まりや買い物、土曜の孫との時間です。脚だけでなく、暮らしの予定を建て直します。

途中で助けになる習慣がふたつあります。ひとつは、用心ではなく外出のほうをねぎらうこと。注目したところが伸びるからです。もうひとつは、また起きたときにどうするかを普通に話しておくこと。自分がどう起き上がるかを知っていて、必ず誰かが来ると確信している人の歩き方は、気をつけてとだけ言われて一人で考え込んでいる人とは違います。

大切な家族との距離を、少しだけ縮めましょう。

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かかりつけ医に聞いておきたいこと

段差につまずいた一回は、たいていそれだけのことです。繰り返し起きている、原因が思い当たらない、めまいがある。この三つは、台所での家族会議ではなく、かかりつけ医との落ち着いた相談に向いています。本人が望むなら同行し、代わりに答える人ではなく、記録する人として座ってください。

  • バランスと筋力の確認。 これを目的とした運動やリハビリについて、直接たずねてみてください。
  • 薬の見直し。 いま服用しているものが、単独あるいは組み合わせで見直す価値があるかを聞きます。これは処方する側への質問であって、検索で決めることではありません。
  • 目と耳。 視力と聴力はどちらもバランスと方向感覚に関わります。二年ほど先延ばしになっている検査なら、手をつけやすいところです。
  • 転び方の詳細。 つまずいた、滑った、意識が遠のいた、一瞬記憶が飛んだ。どれも別の話で、医師にとっては細部が重要です。
  • 骨の状態とその後の確認。 話題に出しておくと、暗黙のままにならずに記録が残ります。

受診の前に書き出しておくこと

  • 日付とおおよその経緯。 記憶はすぐにぼやけ、話の細部もずれていきます。
  • その後のひやりとした場面。 転倒に至らなかったふらつきは有用な情報です。
  • 家での変化。 睡眠、食欲、体力、気分、歩いている距離。
  • 質問は多くて三つ。 診察は短く、四つ目の質問に十分な答えが返ることはまれです。

同じ時期に他の変化も重なっているなら、転倒だけでなく全体を見てください。地域包括支援センターなど、住んでいる自治体の相談窓口に一度つないでおくと、次に何かあったときの動きが早くなります。

見守りながら、立ち入りすぎない

ここが難しいところです。転倒のあと、家族の心配は一気に上がり、そのまま下がりません。心配の自然な表れは、電話が増え、質問が増え、大丈夫かと確かめる回数が増えることです。受け取る側からすると、それは判定に聞こえます。あなたはもう弱い人だと決められた、という判定です。

温度を下げるのは、決まっていることです。互いに見当のつく時間の短い電話なら、待ちながら気を揉む人が出ません。出かけるときの一言の連絡もそうです。連絡がつかないときにどうするかを声に出して決めておけば、電話に出られなかったことが緊急事態ではなく、ふつうの出来事になります。

家族向けの見守りアプリが役に立つのはこの場面で、その役割は多くの方が思うより小さいものです。父が言っていたとおり畑にいると分かること、母の電話の電池が少ないと分かって最悪の想像を始めずに済むこと。こちら側の細かな不安はかなり減り、向こう側には質問がひとつも増えません。Be Closer は無料でダウンロードでき、13の言語に対応し、App Store と Google Play で15万件を超える評価で4.4の星を得ています。数字そのものより、ふつうの電話のアプリとしてふるまうものは受け入れてもらいやすい、という点が大切です。

設定は必ず双方向にしてください。親のほうからも、こちらの居場所が見えるようにします。一方向になった瞬間に、それは連絡ではなく監視になり、年齢を重ねた方はその違いをすぐに感じ取ります。誰が見られるのかを一度言葉にして確かめ、共有をいつでも一時的に止められることも伝えておくと安心されます。

半年は見てください。自信はたいてい戻ります。まっすぐではなく、途中に良くない二週間をはさみながらです。叔母はまた角の店まで歩いています。いとこが春のあいだ毎週木曜に来て、転倒の話は一切せずに一緒に歩き、必要のないものを二つ買って帰る。それだけの時間がかかりました。

ご家族から

Portrait of Priya Nair, who writes about aging parents, pets and family life for Be Closer
Priya Nair
Aging Parents, Pets & Family Life

Priya writes about the family members we care for at every age, parents living alone, dogs that bolt at squirrels, and the quiet worry in between. She writes the way she checks in: gently, and always dignity first.

Our guides are written by Be Closer's editorial voices and reviewed by the team behind the app. Questions? support@becloser.com

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